特別定額給付金の申請書を効率処理するため、全国の自治体がこぞって導入したサービスを開発。圧倒的な精度の「AI-OCR」ができた背景には、創業社長の綿密な計画と、徹底した研究があった。

1人10万円の特別定額給付金の配布が決まった2020年4月以降、膨大な手書きの申請書類を処理する自治体がこぞって導入したサービスがあった。AI inside(東京・渋谷)が開発した「DX Suite」だ。
AI(人工知能)を搭載したOCR(光学的文字認識)で書類を読み取りデータ化するサービスで、給付金事業をきっかけに申し込みが急増。これまでに500以上の自治体が導入した。
同社の渡久地択社長CEOは、「12年にディープラーニング(深層学習)に関する研究成果が発表されてから地道に研究開発を重ねてきた。精度でも使いやすさでも当社に勝るものはない」と自信を見せる。
精度99%で手書き文字を認識
書類を読み取って自動でデータ化するOCRは古くからある。業務効率化の切り札として期待されていたが、文字認識精度の低さなどからなかなか普及には至っていなかった。
だが近年になって、AIと組み合わせることで読み取り技術を飛躍的に向上させたAI-OCRが次々に出現。その中でもAI insideの市場シェアは、複数の調査会社が6割程度と算出しており、トップだ。
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