現場の先生のアイデアを取り入れ、動画編集ソフトを、オンライン授業ツールへと改良した。教材の作成や生徒とのやり取りをワンストップでサポートし、教育現場の変革を支える。
従業員数30人のベンチャー企業のオンライン授業支援サービスが、全国の小・中・高等学校に続々と採用されている。LoiLo(ロイロ、横浜市中区)の「ロイロノート・スクール」だ。採用学校数は3000を超え、今年は奈良県や横浜市の公立全校への導入も決まった。
ロイロを創業したのは、杉山竜太郎氏、浩二氏の兄弟。2007年のことだ。ただ当時から教育業界をターゲットにしていたわけではない。当初は動画編集ソフトを開発していた。それがオンライン授業支援サービスに発展したのは、現場の教師の声を聞くことで、自らのサービスの強みをとらえ直し、改良を続けてきた結果だ。
動画編集ソフトを応用し開発

もともと兄の竜太郎氏はセガ(現セガサミーホールディングス)、弟の浩二氏はナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)で、ゲームのプログラマーとして働いていた。その傍ら、趣味でビデオジョッキー(VJ)ユニットとしても活動していた。VJは音楽に合わせて映像を次々と切り替えていくが、2人は当時のソフトの動画処理の遅さに不満を抱いていた。そこで自ら高速の動画編集ソフトを開発した。これが06年に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「未踏ソフトウェア創造事業」に選ばれたことで、安定した会社勤めを捨て、起業の道を選んだ。
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