高機能フィルムと、それを利用したおむつ処理機を独自開発して市場を拡大した。病院や介護施設などで、においや菌の拡散を防ぐ役割が期待されている。

緑色の特殊なフィルムにくるまれた使用済みのおむつ。顔を近づけても、排せつ物特有のにおいは全くしない。この特殊フィルムを製造するのが、工業用粘着テープ・フィルムメーカーのスミロン(大阪市)だ。
「おむつだけでなく血の付いた衣服など、感染リスクの高い物を簡単に安全に密封できる」と同社の春山英二社長は話す。フィルムの製造にとどまらず、医療施設向けのおむつ処理機「エコムシュウ」を開発し、自社にとっては未知の医療向けの市場を開拓してきた。

処理機の上の楕円型のくぼみに使用済みのおむつを入れると、1、2秒後にはフィルムで密封されたおむつが機械の下の部分から出てくる。幅44cm、奥行き58cm、高さ90cmとスーパーマーケットの買い物カートほどの大きさで容易に移動できるのも特徴だ。病院や介護施設を中心に730施設で導入されている。
エコムシュウを利用する以前の施設では、看護師らがおむつを新聞紙にくるんだり、ポリ袋に入れて殺菌剤をかけるなどの処理をしていた。この方法では、においが拡散する上、菌が漏れてノロウイルスなどの二次感染のリスクがあった。
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