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約1マイクロメートルの精度で複雑な立体形状を高速に測定できる装置を開発した。創業から20年近くが経過し、ようやくつかんだ自動車応用を足掛かりに成長を期す。

余さずデータ化
複雑な立体形状を余すところなくデータ化できる独自の計測方式を採用する。エンジン部品の全数検査に広がる

 「そうか、これが本当の強みだったのか」──。計測装置を手掛ける光コム(現XTIA、読みはクティア)に、2018年1月に取締役として入社した八木貴郎氏は、半年ほどたって、ようやく納得のいく答えを見つけた。「なぜ顧客が光コムの製品を選んでくれるのか。自分たちが価値を分かっていなかった」

 八木氏はソニー出身。英ケンブリッジ大学で修士課程を経て、1999年に入社し、5年間、テレビ用ディスプレー開発に携わった。その後、ソニーの携帯電話子会社に転じ、スマートフォンのディスプレー機能の開発リーダーを務めた経歴を持つ。

 その傍ら、妻が起業した衣料品ECサイトの経営を手伝い、事業を立ち上げる楽しさを感じていた。

 次のキャリアを考える中で目に留まったオファーが、光コムへの経営層としての参画だった。「世界に通じる技術を持っているが、まだチームとして成立していない。そこが魅力的だった」(八木氏)

 新たなキャリアの候補の中では最も給料が低かったが、プロジェクトリーダーとしての経験が生かせるうえ、伸びしろの大きさに挑戦心をかき立てられた。