全2252文字

実家に引きこもり、暴れていた青年は東洋医学に救われた。自身もマッサージ師の世界に飛び込み、訪問サービスを展開する。

寝たきりに救いの手
フレアスは寝たきりの人の自宅にマッサージ師を派遣する。寝返りが打てるようになったり、自分で排泄できるようになったりする人もいる

 寝たきりの人を抱える家族の間でもあまり知られていないが、日本には1回300円程度から訪問マッサージを受けられる医療保険制度がある。主治医が同意すれば保険が適用され、わずかな自己負担で、国家資格を持つマッサージ師が自宅を訪れ、施術してくれる。痛みの緩和や、筋肉の萎縮防止などの効果が期待できる。

 訪問マッサージ市場をけん引するのはフレアスだ。現在全国に約100拠点を構え、従業員630人、うちマッサージ師440人という体制を整える。2019年3月期の売上高は前期比13%増の37億1164万円と成長を続ける。

暗黒の少年時代

 社長の澤登拓氏が訪問マッサージに乗り出したのは00年だ。当初マッサージ師は自分一人。声がかかればクルマで家庭訪問した。営業と事務は弟に任せ、山梨県にある実家の応接間を事務所として使った。その実家は室内の壁が穴だらけだった。澤登氏が子どものころ家庭内で暴れ回り、蹴って開けたものである。