ギフトカードやメール、SNSなどを介して贈り物を送れるインターネットサービスを手掛ける。アンケートの添付機能などを備え、企業が顧客や株主などと継続的な関係を築くのを支援する。

ギフトカードも制作
<span class="textColGray fontSizeM">ギフトカードも制作</span>
ギフトパッドの法人向けサービスでは顧客企業ごとに異なる商品を準備するほか、オリジナルのギフトカードのデザインも手掛ける(写真=加藤 康)

 2018年12月、国内ベンチャーへの投資を手掛けるフューチャーベンチャーキャピタルの松本直人社長から取引先企業宛てに、名刺大のギフトカードが届いた。カードのQRコードにリンクするウェブサイトを開くと、「おかげさまで創立20年」と書かれたバナーや松本社長のメッセージの下に、「贈り物」のカタログが続く。並ぶのは定番の食品や衣料、食器に加え、プログラミングロボットや京都散策ツアー、出張シェフサービス、月桂樹やレモンなどの植樹サービスなど90品目。その中から1点を選び、住所などを入力すれば贈り物を受け取れる仕組みだ。

 実は、商品はいずれも、フューチャーベンチャーキャピタルの投資先企業のもの。「自社だけでなく、投資先企業の売り上げや認知率向上にも寄与できると考えた。通常のカタログギフトにはない特殊商材や体験型商品などもラインアップできた」(松本社長)

 このカタログサイトの制作や商品の仕入れ・配送、ギフトカードのデザインなどを担ったのが、11年設立のギフトパッド(兵庫県西宮市)だ。同社は、住所の分からない相手にもメールやSNS、ギフトカードなどを使って贈り物を送れるオンラインギフトサービスを開発・運営する。シーンや予算に応じて様々な商品を集めた個人向けサービス「Gift Pad(ギフトパッド)」を手掛けるが、近年特に力を注ぐのはフューチャーベンチャーキャピタルも利用した法人向けサービス「3X's ticket(サンクスチケット)」だ。

 従来、カタログギフトといえば、商品を掲載した冊子が一般的だったが、ギフトパッドはそれをウェブサイトに転換。「紙のカタログは印刷すると一定期間差し替えができず、在庫量が安定した商品しか掲載できないケースが多い。また、商品が多すぎて選びにくいと感じる消費者も少なくない」(ギフトパッド創業者の園田幸央社長)

日米の習慣の違いがヒントに

 米国に長年在住した後、前職では経営コンサルタントとして病院の業務のデジタル化などに関わっていた園田社長は、知人のブライダルプランナーに相談を受けたのをきっかけに結婚式に関心を持った。

<span class="fontBold">園田幸央社長は米国の結婚式の贈り物文化などに着想を得て起業した</span>(写真=加藤 康)
園田幸央社長は米国の結婚式の贈り物文化などに着想を得て起業した(写真=加藤 康)

 米国では、新郎新婦が欲しいものをリストアップしてネット通販サイトなどに登録しておき、友人や親族はオンラインで決済して送ることが多い。だが日本では、新郎新婦にはご祝儀を渡し、参列者には引き出物としてカタログギフトが贈られるのが一般的だ。「結婚式場や二次会の店に、紙のカタログが入った重い袋が置き去りになっているのを見て、非効率だと感じていた」(園田社長)。そうした問題意識から現在の事業を構想し、創業メンバーを集めて起業した。

 オンラインカタログなら冊子は不要。掲載内容の更新も容易で、珍しい商品も扱える。また、贈り主の意図に沿って商品を絞り込み、メッセージや画像、動画なども盛り込めるため、法人向けにもサービス展開しやすい。