日本になじみのなかったインドネシア産カカオを使ったチョコレートを製造・販売する。農家が努力して栽培するカカオの取扱量を増やすため、さらなる販路作りにも乗り出している。

高級感のあるトリュフなどの商品が並び、芳ばしい香りが漂うチョコレート専門店「Dari K(ダリケー)」の京都市の本店。開店初期からの取引先、ホテル日航プリンセス京都の中埜智史総料理長は同社の製品について「初めて食べたとき、言葉を失った。香りとおいしさのインパクトに驚いた」と語る。チョコレートの世界最大級の見本市、パリの「サロン・デュ・ショコラ」でも高い評価を受けた。
通常、チョコ製品は「クーベルチュール」と呼ばれる製菓用チョコを溶かして加工する。しかしダリケーは現地でのカカオ豆の栽培支援から輸入、製品化、販売までを一貫して手掛ける。
創業のきっかけは、吉野慶一社長が日本に流通していなかったインドネシア産のカカオの存在を知ったことだった。慶応義塾大学、京都大学大学院、英オックスフォード大学大学院で経済学や社会政策を専攻し、国際機関で働くことを思い描いていた。卒業後は外資系金融機関でアナリストの職を得るなど、“金融エリート”の道を歩んでいた。だが2010年、韓国のカフェで一枚の世界地図が目に留まった。
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