着色が難しいとされるステンレスに薬品で膜を張り、漆のような艶のある黒い金属へと加工する。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の一部車種に納品、海外への進出も狙う。

金属なのにまるで漆
化学的に作った薄い被膜を重ね合わせていくことで、漆のような質感のある金属へと加工する特殊な技術を持つ

 漆のような艶のある黒の発色に加え、滑らかなさわり心地を持つ不思議なステンレス。スプーンのように凹凸をつけて加工すると、くぼんだ部分に、はっきりと顔が映り込む。質感はまさに漆器で、ステンレスとは思えない。

 「化学的な処理で膜を作り、その厚みをコントロールすることで、ステンレスを黒く見せている」と開発・製造を手掛けるアベル(大阪府八尾市)の居相浩介社長は話す。同社の会社名にちなみ、「アベルブラック」という呼び名がついた漆黒のステンレスは、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」にも採用されている。

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