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中小規模の企業にデジタル技術を活用した営業手段を提供する。営業担当者が顧客との接点を増やして本業に集中できる点が評価される。

買い手との関係強く
研究所などに設備機械を販売する商社の島津サイエンス東日本はアペルザのサービスを使って顧客との関係強化を図る(写真=吉成 大輔)

 「悔しい気持ちがわいてきた」。2014年9月、中国アリババがニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を果たした。そんなニュースを聞いて、対抗心を燃やす男がいた。半年前にキーエンスを辞め、起業家の道を歩み始めていた石原誠氏だ。「アリババは中国製品を世界で売る窓口だ。日本の製品を世界で売るプラットフォームは日本から出さなければならない」

 そんな使命感に駆られた石原氏は現在、アペルザ(横浜市)の社長として、「アペルザクラウド」と名付けたクラウドサービスを展開する。ロボットや制御機器、モーターなどの生産設備を販売する商社やメーカーに向けて、販売促進や営業の業務を効率化するシステムで、月に10万円という低価格が特徴だ。サービスを使うと、新しい製品カタログやキャンペーンの情報を営業担当者が自分の顧客にメールで一斉送信して、後から開封率などデータをもとに効果を確認できる。

 「顧客訪問時に案内するのでは情報が行き渡るまでに時間がかかる。タイムリーにまんべんなく情報を提供できるのが利点だ」。こう語るのは、島津製作所100%子会社の商社、島津サイエンス東日本で営業本部長を務める加藤泰介取締役だ。同社は企業の研究所や品質管理部門、大学などに理化学機器を販売、400超のメーカーの製品を取り扱う。18年5月にアペルザクラウドを利用し始め、現在は1万近くの顧客アカウントにイベントやキャンペーン情報を案内するのに役立てている。