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収納グッズとして便利だが、あくまで裏方に回っていた突っ張り棒をおしゃれな家具に変えた。部屋を自由にアレンジできる強みと社内外に募ったアイデアを融合し、新ジャンルを開拓している。

自由に模様替え
突っ張り機能を生かした家具「DRAW A LINE」(写真は竹内社長)。写真右は「LABRICO」と市販の木材を使った家具

 床から天井にすっと伸びる黒い鉄製の棒。壁と壁の間で固定する突っ張り棒と同じように、天井と床の間で突っ張っている。ランプや棚、シューズラックなど様々なアタッチメントを取り付ければ、おしゃれな家具になる。平安伸銅工業(大阪市)が2017年に発売したブランド「DRAW A LINE」だ。

 突っ張り棒と基本的な仕組みは同じだが、取り扱うのはホームセンターではなく、スタイリッシュな商品が並ぶ家具販売店。竹内香予子社長は「突っ張り棒はオワコン(終わったコンテンツ)と思っていたが、強みを生かせば、新たなジャンルを開拓できる」と話す。

 同社は竹内社長の祖父が銅を加工する町工場として創業した。アルミサッシの製造技術を米国から輸入し、日本での普及に貢献したという。

 今や定番となった突っ張り棒は約45年前、祖父が米国視察中にシャワーカーテン用に販売されているポールを見て着想した。キッチンや洗面所、押し入れなど狭くて活用しきれないスペースを収納場所に変えられる便利さが受け、順調に販売を伸ばした。

 しかし、徐々に他社が進出してくると差別化が難しく、価格競争に陥った。さらに利幅が小さい他社からの生産受託が増えて売上高の半分を占めるようになると利益が圧迫されていった。