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日本酒や焼酎、しょうゆ、味噌などに欠かせない麹。その自動製造装置でシェア8割を握る。味のカギとなる麹づくりの職人技を機械で再現し、品質の安定を可能にした。

 日本の酒づくりを支える機械メーカーが、岡山県にある。自動製麹(せいぎく)機でシェア8割のフジワラテクノアート。その工場では現在、直径約12mのターンテーブルを内蔵する自動製麹機が造られている。「黒霧島」などで有名な焼酎メーカーの霧島酒造(宮崎県都城市)が建設中の工場に納める予定だ。

自動制御で品質安定
麹菌の培養は湿度と温度がカギ。混ぜたり風を送ったりして自動制御する。コメや小麦、大豆など様々な原料に対応。

理想の麹づくりをサポート

 焼酎や日本酒などのお酒から、しょうゆや味噌などの調味料まで、幅広く日本食づくりに使われる麹(こうじ)。コメや麦、大豆など原料は多様だが、それぞれにカビの一種である麹菌を付け、培養するという製造工程は共通だ。

 これらの工程を自動化した装置が、フジワラテクノアートの主力製品の自動製麹機だ。日本酒に使われる米麹の場合、蒸した米に麹菌を付けて、温度と湿度を管理しながら約2日間、培養する。この間、コメをほぐしたり、麹菌が発した熱によって上がり過ぎた温度を下げるため空気を通しながら混ぜたりする。50時間、夜通しの管理が必要で、手作業だと杜氏(とうじ)が寝ずの番をするともいわれる。

 自動製麹機ならば、ターンテーブル上の釜に原料と麹菌を入れ、温度と湿度を測りながら自動で最適な数値に制御する。藤原恵子社長は「有名どころの日本酒メーカーにはほとんど入っている」と胸を張り、社員食堂には顧客の日本酒がずらり。日本酒だけでなく、麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(大分県宇佐市)やキッコーマンも得意先だ。

 「こういう麹をつくりたい、という杜氏のイメージを実現できるのがいい設備」。狩山昌弘常務は開発の思想をこう話す。実は自動製麹機自体は新しいものではなく、古くから手掛ける競合もある。その中でフジワラテクノアートがシェアを伸ばしたのは、「納めた後が大事」(藤原社長)という方針が顧客に受け入れられたからだ。