「きれいな看板作り」ではなく「顧客企業の売り上げ増」を目的に据え高利益体質へ転換。横ばいの市場の中でもIT活用を進め、新規事業を立ち上げる事業モデルで成長図る。

ディスプレーを改善
<span class="fontSizeL">ディスプレーを改善</span>
看板やディスプレーの近くに取り付けたカメラで来店客の属性や行動を推定し、より販促効果の高いデザインや配置などの知見を店舗にフィードバックする

 吉祥寺の中心街にある衣料品店「BAYFLOW(ベイフロー)吉祥寺店」。ショーウインドーにはマネキンが並び、店舗内外にはセールやキャンペーンを知らせる看板などが設置されている。道行く人々はこれらを見て足を止め、買い物の手掛かりにする。

 よく見ると、マネキンや看板のそばの目立ちにくい場所に、小型のカメラが数台仕掛けられている。屋内外看板や展示物の製作・施工を手掛けるクレスト(東京・港)が開発したデータ分析用カメラ「esasy(エサシー)」だ。

 エサシーはリアルタイムで店の前を通る客や入店する客を数え、客がどんな看板やディスプレーをどれだけの時間見ているかを計測し、客の年齢・性別を推測する。こうした情報をレジの売り上げデータと組み合わせることで、看板がターゲットの客層を狙い通りに引き付けているか検証できる仕組みだ。店舗内外の数カ所にカメラを設置すれば、通行客の何割がショーウインドーを見て入店し、入店客の何割が店内看板に興味を持ち、そのうち何割が商品を買ったかが分析できる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1811文字 / 全文2350文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「フロントランナー 創造の現場」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。