注文された商品を、届け先ごとに仕分けるシステムを手掛ける。商社を飛び出し起業。「物流のプロフェッショナル集団」を目指す。

仕分けミスをゼロに
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タクテックが提供する仕分けシステムのデモの様子。商品を入れる箱の蓋のみが開くので、仕分けの人為的ミスを防ぐことができる

 アパレルや小売りなど国内流通各社が躍起になって構築を急ぐ自前でのEC(電子商取引)サイト。その裏側を支える物流センターへの投資時に、大手各社が熱視線を送るのがタクテックだ。注文された商品を、届け先ごとにミスすることなく素早く仕分けるシステムを手掛ける。

 AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった最新技術を使っているわけではない。同社の仕分けシステムは極めてシンプルだ。

 上の写真を見てほしい。箱が無数に並んだ仕分け棚の上には、電動で開閉する蓋が取り付けられている。商品のバーコードを読み取ると、顧客の住所などの発送情報とひも付けられて、対象となる仕分け棚の蓋のみが開く。作業員がその棚に商品を入れるだけで仕分け作業が終わる仕組みだ。

 残りの棚は蓋が閉まった状態なので、商品を入れることはできず仕分け作業のミスはほぼ発生しない。現状ではランプが点灯して仕分ける箱を知らせるシステムや、機械を使った自動化システムが主流だ。前者では隣の箱に入れてしまうミスがどうしても避けられなかった。後者では数億円規模の投資が必要だ。

ミスの確率は10万分の1

 タクテックのシステムでは「自動化システムの半額以下の投資で、ミスが起こる確率は10万分の1だ」と、アイデアを生み出した侘美好則会長は語る。ミスがなくなることで、「仕分けた箱を検品せずに発送できるようになるため、作業効率そのものも高まる」(侘美氏)。

 一見するとローテクだが、投資コストを抑えながら、ゼロから物流センターを構築したい顧客には利点が多い。すでに、国内のアパレルや小売りなどの導入が相次いでいる。

 なぜ、侘美氏はこの独自の仕分けシステムを生み出すことができたのか。そこには侘美氏の経歴が大きく影響している。

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