電話機のコードでシェア8割を誇っていた祖父が作った会社を引き継いだ3代目。世の中がどんなに変わっても生き残れるように、「ゼロからイチを生み出す力」を養う。

電話コードで成長
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祖業である電話用の「カールコード」などの需要が激減し、ロボット用ケーブルやカテーテルに進出し、事業構造を変革。キャビアの生産・販売に挑戦している。

 静岡県浜松市天竜区春野町。天竜川の源流を引く廃校のプールなどに、1万匹以上のチョウザメが泳ぐ。その腹の中で育まれているのが、世界三大珍味の一つ、キャビアだ。

 ここで育てた「ハルキャビア」は、2018年11月から本格的な出荷を開始。ミシュランの星を持つレストラン約10店を含む国内の約40店舗に納められ、お客に供されるようになった。

 この養殖場を運営しているのは、1932年創立の金子コードだ。社名にもあるように、もともと電話機の本体と受話器をつなぐ「カールコード」やジャックと電話機をつなぐモジュラーコードなど、電話機周辺のコード製造で事業を拡大した企業だ。

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