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掬川 正純[ きくかわ・まさずみ ]
1959年生まれ、神奈川県出身。84年東京大学農学部卒、同年ライオン入社。2006年から研究開発本部ファブリックケア研究所長として洗濯用洗剤「トップNANOX(ナノックス)」などの開発を担当した。10年執行役員、12年取締役。18年から国際事業を担当。19年1月から現職。
(写真=陶山 勉)

 社長として、「社内で成功事例を積み上げる」という使命が課せられていると思っています。業績は右肩上がりですが、当社の社員は私からみると自分たちに自信が持てていないようです。ここが変われば、たくましい会社になると、ずっと考えていました。かまどに薪をくべるように、今は弱々しく燃えている火を強くするサポートが私のミッションでしょう。

 社員の多くは生真面目で考えすぎる傾向があります。市場の変化が激しい今は、考えているうちに環境が変わってしまう。100点でなく80点でいいから、考える前に体を動かす意識を持ってほしい。競争に勝ち続けるためには強さと同時に速さがなければいけない。それをどれだけ達成できるかが、私の評価指標になるでしょう。

 入社して6、7年目の研究所時代、制汗剤スプレーの有効成分を開発し、生産まで一連の流れを経験しました。店頭に並んだスプレーをお客さんが購入するのを見て、すごくうれしかった覚えがあります。企画した商品を利用してもらう喜びをダイレクトに感じることが、仕事の醍醐味だと確信しました。同じ思いを社員とも共有したいのです。

日経ビジネス2019年6月3日号 96ページより目次