業務軽減こそがイノベーションを生み出す

<span class="fontBold">[ わが・まさゆき ]<br />1958年生まれ。東京都出身。81年に慶応義塾大学を卒業し、三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。シンガポール子会社社長や三菱ケミカルホールディングス経営戦略室長などを経て18年4月から現職。</span>(写真=中山 博敬)
[ わが・まさゆき ]
1958年生まれ。東京都出身。81年に慶応義塾大学を卒業し、三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。シンガポール子会社社長や三菱ケミカルホールディングス経営戦略室長などを経て18年4月から現職。
(写真=中山 博敬)

 全国15カ所に石油化学コンビナートなどの製造拠点を抱える企業の社長として、優先すべきことは何か。収益力向上は大切ですが、より重要なのは社員の安全確保と負担軽減です。高温高圧の化学反応を扱うだけでなく、時には危険を伴う高所作業も求められます。数十年スパンで見れば事故は減っていますが、それでも事故が全くないとは言えません。

 事故を撲滅するには、原因を徹底的に洗い出す必要があります。しかし、従業員に「事故につながるような危険な作業はないか」と聞いても得るものは少ないでしょう。誰かが危険と感じる作業は、すでに排除しているからです。

 そこで質問を少し工夫して「どの作業を嫌だと感じているか」と社員にアンケートを取りました。すると「非常に狭い場所に手を伸ばす作業がつらい」「夏場の防護服があまりにも暑い」など、2000件超の意見が寄せられました。中には悲鳴にも近い声がありました。

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