AI(人工知能)の進化がこのところ急加速している。様々な種類のデータの「意味」を正しく理解し、新しい能力を獲得している。目を見張るような進化の最前線をリポートする。

 Zホールディングス傘下のLINE(東京・新宿)の日本語対応のAI「HyperCLOVA(ハイパークローバ)」は、謝罪メールから詩、小説まで流ちょうな日本語で生成。AIが文章の「意味」を判断できるため、異次元の業務自動化が実現しそうだ。

 「いつもお世話になっております。先日は、弊社のミスにより納期の遅延が発生し、大変ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます。今回の件につきましては、私の確認不足によるものであり、多大なご迷惑をおかけいたしました。今後は二度とこのようなことがないよう、細心の注意を払い業務に取り組む所存でございます。何卒、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。納品日につきましては、本日15時までにお届けいたします。今後とも、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」

 謝罪の気持ちを伝える、いかにもこなれたビジネスメール。頻繁にメールを書くビジネスパーソンでも、作成に数分はかかりそうだ。しかしこの文面、実はLINEが2021年に構築した「ハイパークローバ」が、人間が入力した雑な文言に基づいて生成した。人間がハイパークローバに与えた謝罪文の原案は「入稿遅れててごめん。こっちの手違いで日にちを間違えました。今日の15時までに届けるね。今後気を付けます」と箇条書きでフランクに記した。ハイパークローバはそこから人間の意図をくみ取り、失礼にならない謝罪メールを生成した。

[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 会議のポイント、自動要約も