2カ月かかった計算が0.3秒に

 ENEOS(東京・千代田)とプリファードネットワークス(同)が共同開発した原子レベルシミュレーター「Matlantis(マトランティス)」は、数千もの原子のポテンシャルエネルギーを0.3秒で解析して、分子の動きを再現する。従来の計算手法では2カ月ほどかかる計算量だ。圧倒的な計算速度で様々な材料の特徴を分子レベルで予測でき、現象の解明や材料探索の加速が期待できる。

 計算速度が速いのは、材料を構成する原子の位置情報(x、y、z座標)とポテンシャルエネルギーの関係を、10の7乗という膨大な数の組み合わせで学習したニューラル・ネットワークで解析モデルを構築しているから。このモデルがコア技術「ニューラル・ネットワーク・ポテンシャル(NNP)」だ。NNPを使えば、任意に作った原子配列のポテンシャルエネルギーが瞬時に求まり、分子の運動や材料の物性まで予測できる。

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