クレジットカード不要の「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」と呼ばれる後払い決済の利用が国内外で急伸している。スマートフォンで簡単に買い物できる手軽さが支持され、国内でユニコーン企業も誕生した。複数の事業者が参入しており、競争が激化。各社のビジネスや与信審査モデルの違いを追った。

(写真=PIXTA)
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 後払い決済でユニコーン企業誕生──。今春、国内で後払い決済サービスを手掛けるPaidy(ペイディ、東京・港)が、「ユニコーン」(企業価値10億ドル=約1100億円=以上の未上場企業)の仲間入りを果たし話題を呼んだ。米資産運用会社のウェリントン・マネジメントなど4社が3月、ペイディに対し総額1億2000万ドル(約132億円)を出資。資金調達額が国内未上場スタートアップ企業として過去最大級で、その期待の大きさを裏付けた。

クレジットカードを使わずに購入可能
●後払い決済サービスの流れのイメージ
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 ペイディは利用登録者が550万人(今年6月時点)を超え、通販、家電、衣料品、食品などの約70万のインターネットサイトでの商品購入時に利用可能だ。後払いは、ネット決済におけるクレジットカードに代わる新しい支払い手段の一つとして、もはや欠かせない存在となっている。

与信はわずか0.5秒で

 「子供用のクレヨンと日焼け止めが今すぐ欲しい」。6月下旬、30代の主婦はこう思い、自宅でスマートフォンを手にした。大手通販サイトに入り、お目当ての商品を選択。「お支払い方法を選択」に進むとクレジットカードにしようか迷ったが、「あと払い(ペイディ)」のボタンを押した。

 名前と住所、電話番号、メールアドレスを入力し、スマホのショートメッセージサービス(SMS)に送られてきた4桁の認証コードを打ち込むと購入手続きは完了した。

 特徴は、利用可否を判断する与信審査時間の短さ。購買履歴など利用者のデータを人工知能(AI)で分析することで、「0.5秒で判明する」(ペイディの杉江陸・社長兼CEO=最高経営責任者)。「これほどスムーズに買えるなら、クレジットカードよりも利用頻度を増やすかも」と主婦は語る。クレジットカードのように年会費がかからないコスト面にも利点を感じた。

多くが即時で利用可否を判断
●与信審査のイメージ
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 スマホなどを通じたキャッシュレス決済は、大きく分けて「前払い」「即時払い」「後払い」の3つの手段がある。例えばプリペイド式の前払いはSuicaなどの交通系マネー、即時払いはデビットカードや銀行系QRコード、後払いはクレジットカードなどが代表的だ。

 このうちクレジットカードを使わない後払い決済のサービスは英語表記の「buy now pay later」の4単語の頭文字を取って「BNPL」と呼ばれており、国内外で関連市場が急拡大している。

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