自動搬送ロボットの実用化に向けた準備が着々と進められている。屋内ではビル内配送などで実証実験が進み、屋外では公道走行の実証実験が盛んになった。実証実験の第1段階を突破しつつあり、次の焦点は配送ロボを用いたサービスや業務形態だ。
新型コロナウイルスの影響で人の移動は減少したものの、外出や店頭販売の自粛によって電子商取引(EC)は拡大し、モノの移動が増えた。もともと人手不足だった物流現場が逼迫している。さらに配達時の対面への忌避感が高まり、「置き配」が一気に広まるなど、非対面・非接触での配送が求められるようになった。こうした中で注目が急速に高まっているのが自動搬送ロボットだ。
自動搬送ロボットは、ステレオカメラや距離画像センサー、光の反射を利用して物体との距離を測る「LiDAR(ライダー)」などを搭載している。周囲の環境を認識してマッピングし、自ら最適な走行ルートを計算して走行できる自律移動型のロボットである。車輪などの移動体の上部に、荷物などを積載するためのトレーやボックスを備えている。
以前から走行実験などが繰り返されてきたが、コロナ禍をきっかけに、ついに実際のサービス開始を見据えた実証実験が始まりつつある。
ビル内を駆け回る配送ロボ
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020年9月、ラストワンマイル物流の実現に向けた自動走行ロボットの技術開発に着手。予算3億円で「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」を開始した。採択された事例の一つが、異種ロボット連携基盤を手掛けるQBIT Robotics(キュービット・ロボティクス、東京・中野)によるオフィスビルでの館内配送サービスだ。
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