新型コロナ対策に追われる企業にとって、心強い味方となっているのがパソコン作業の自動化技術「RPA」だ。在宅勤務に切り替えたRPA先進企業は、出社できない社員に代わってRPAにデータを処理させた。RPAにおいて先進的な企業の取り組みを探った。
新型コロナウイルスの感染防止のため出社する社員数を限定するなか、大量のデータをシステムで処理する必要が出てきた──。自賠責保険の事務処理で直面したこの課題をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で解決したのが損害保険ジャパンだ。
2020年4月、自賠責保険の保険料が変わった。それに伴い損保ジャパンは、3万5000件の契約について保険料を一部、返金することになった。
通常業務のほかに発生した追加の業務。そこへ20年3月、新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけた。感染防止策として在宅勤務を進める中、多くの社員が出社して対応するのは難しくなっていたのだ。
そこで頼ったのが、17年から活用してきたRPAだ。まず全国の営業店から届いた返金手続きに関する紙文書の内容を、外部業者に委託してデータ化。結果をRPAで社内システムに自動入力し、返金手続きを乗り切った。
事故受付部門をペーパーレスに
損保ジャパンがコロナ下で進めるRPA活用はこれだけではない。「特に ペーパーレス実現のためRPAの活用が進んでいる」と業務改革推進部企画グループの小口隆之課長代理は話す。
その一つが事故受付部門の仕事だ。同部門では契約者から事故案件を受け付けると、部署内の複数メンバーへ業務を振り分けている。従来は振り分けを受け持つ差配担当者が業務システムから案件に関する書類を印刷し、該当するメンバーに渡していた。差配担当者は新しい事故案件が登録されていないかを定期的に確認するため、業務システムを操作する手間もかかっていた。
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