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様々な業種の企業や組織がドローンの活用に乗り出している。設備の点検、電波の測定など、ドローンによって業務やビジネスの変革を進める。「上空写真を撮影するくらいなのではないか」と考えていたら、強力なツールを活用する機会を逸する。

用途が広がる
●ドローンの主な用途と、事業化している主な企業(開発中を含む)

 鉄鋼や石油化学などのプラントが立ち並び、不夜城のごとく稼働し続ける茨城県の鹿島臨海工業地帯の一角。プラントの配管に沿って、ドローンが「ブーン」という羽音を響かせながら飛行する。半導体材料や合成ゴムなどのメーカー、JSRが鹿島工場で試行しているプラント設備の点検作業だ。

JSRが実証中のドローンによるプラント施設点検(写真=JSR提供)

 鹿島工場は海岸から1kmほどしか離れておらず、1年を通じて潮風が金属配管を直撃する。1~2年ごとの定期点検・修理は、プラントの操業を止めて配管周りに足場を組み、作業員が上って異常を目視確認する大がかりなもの。「足場の設置・撤去コストは比較的小規模な鹿島工場の点検でも1億円単位、他の大規模なプラントなら10億円単位の費用がかかる」(JSRの川崎弘一専務執行役員)

 そこで同社はドローンに目を付けた。定期的にドローンを飛ばして配管を撮影し、映像からサビの発生状況などを解析。映像では見えない箇所を含め腐食の進み具合をAI(人工知能)で予測することを目指す。

日経ビジネス2020年6月15日号 56~58ページより目次