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土木構造物の部材として「FRP(繊維強化プラスチック)」の実用化が始まっている。建設材料の代名詞といえる「鉄」と「コンクリート」を超える汎用材として定着するか。炭素、バサルト、アラミドという注目の「3大FRP」の最新動向を追った。

米国ミシガン交通局が管理する州間高速道路75号線でCFRPが桁の緊張材に使われた。桁の高さは1.8m、長さは42m。10本の桁で構成。1つの桁に60本以上の緊張材が入っている。2017年に完成(写真=Nabil Grace・ローレンス工科大学教授提供)

 FRPのうち、炭素繊維と樹脂を組み合わせたのがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)だ。

 CFRPをより合わせたケーブル材が、米国では既にコンクリート橋桁の緊張材(引っ張って使う鋼材)やスターラップ(はりの補強の鉄筋)などに使われているのをご存じだろうか。2018年12月には米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO)が、コンクリートの橋桁にCFRPを土木構造物に使う設計基準を公表している。

 「米国の50州が集まるAASHTOの設計基準は、日本の道路橋示方書のようなもの。設計基準のない州は参考にするケースが多く、ここに規定されると非常に影響力が高まる」。東京製綱インターナショナルの山本義明CFCC土木建築事業部長は、こう話す。

日本でも採用環境が整う

 同社は近年、米国で毎年のように橋におけるCFRPの採用実績を伸ばしている。ミシガンをはじめ、バージニアやフロリダなど複数の州の湾岸地域や寒冷地で、さびないCFRPのケーブルが重宝されている。特にミシガン州はAASHTOに先行して、設計基準を独自に作成するほどの熱の入れようだ。