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二酸化炭素の排出量を削減できるとして、実用化が進む微細藻類を由来とするバイオ燃料。主に航空機向けに期待が集まるが、高コストなどを理由に日本では導入が遅れている。ミドリムシを使うユーグレナやデンソー、IHIなど複数の企業が品質改良などで課題に挑んでいる。

 横浜市鶴見区の臨海工業地帯の一角に、「euglena(ユーグレナ)」の看板を掲げた新工場が2018年10月、完成した。日本初の航空機向けバイオジェット燃料・バイオディーゼル燃料を製造する実証工場だ。

 「バイオジェット燃料による航空機の有償飛行は11年以降、20カ国で約15万回あったが、日本はゼロ。このゼロを1にしたい」。約58億円かけた工場の完成式典で、ミドリムシ(学名ユーグレナ)由来の国産バイオ燃料の利用を目指すユーグレナの出雲充社長はこう語った。

 同社は新工場竣工を機に横浜市やANAホールディングスなどとの連携を進め、20年までにこの工場で製造した燃料を使ってジェット機を飛ばす目標を掲げる。

二酸化炭素排出量が実質ゼロ

 生物由来のバイオ燃料は、将来の枯渇が懸念されている化石燃料の代替エネルギー媒体としての期待が高まっている。燃焼時に排出する二酸化炭素(CO2)と同量のCO2を成長する過程で吸収していることから、トータルのCO2排出量をゼロとすることができる「地球環境にやさしい燃料」として研究が進む。