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陸海空で新しいモビリティーの実用化に向けた取り組みが進んでいる。従来に比べて高速で移動時間を短縮できるうえ静かで快適さも高まる。2030年代には次世代移動サービス「MaaS」の一翼を担う。

2025年以降、新たなモビリティーが続々登場
●高速で移動時間を大幅に短縮
2025年以降、空や陸、海で新たなモビリティーが相次いで登場しそうだ。例えば、空では空飛ぶクルマや超音速旅客機、陸では「ハイパーループ」やリニア中央新幹線、海では電動ボートを利用できるようになる見込みだ(写真=右上:アエリオン、左中:ハイパーループTT、右中:JR東海)

 さまざまな新モビリティーの実現に向けて、このところ研究開発が進んでいる。渋滞なしで移動できる「空飛ぶクルマ」や、大陸間移動にかかる時間を半分にする超音速機、チューブの中を時速1200kmと音速並みで駆け抜ける「ハイパーループ」、普通に会話できるほど静かなボートまで、空や陸、海において新たな移動手段が次々と生まれようとしている。

 新モビリティーの中でも注目が高いのが「空飛ぶクルマ」だ。明確な定義はないものの、誰もが日常の移動のために利用できる手軽な新しい空のモビリティーを指す。2030年代には、都市や都市近郊の空を埋め尽くしているかもしれない。

エアタクシーにeVTOL

 空飛ぶクルマには、大別して2つの形態がある。一つは文字通り、自動車のように地上を走行できるタイプである。「ドライブモード」で自動車として地上を移動し、「フライトモード」として固定翼や回転翼を備えた航空機に変形して飛行する。19年を皮切りに、順次製品が出荷される見込みだ。

 もう一つの形態は、回転翼で垂直離着陸を可能にし、回転する部分をモーターで回す電動機(eVTOL)である。内燃機関を利用する従来のヘリコプターに比べて、燃費の向上やメンテナンス負荷の低減が可能で、運用コストの大幅な削減を見込めるからだ。

さまざまな分野の企業が研究開発する
●eVTOL機に参入する主な企業
(写真=フライヤー、ブラックフライ、シュアフライ、Assen A1以外:各社提供)
日経ビジネス2019年8月26日号 66~68ページより目次