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遊園地や水族館などでデジタル技術の積極的な活用が進みつつある。AI(人工知能)やAR(拡張現実)といった先端技術も取り入れ、娯楽性や利便性を高める。来場者データをマーケティングに生かす動きも始まった。

アプリでパーク体験を高める
●「東京ディズニーリゾート・アプリ」の主な機能
東京ディズニーリゾートの来場者は2018年度の実績で延べ3255万人。アプリのダウンロード数は500万件超(写真=左:陶山 勉、ファストパス画像・右上:オリエンタルランド提供 ©Disney)

 東京ディズニーリゾートの人気アトラクションでは、搭乗口から少し離れた場所にも待ち行列が発生することがあるのをご存じだろうか。アトラクションごとの優先搭乗券「ファストパス」の発券所だ。

 ファストパスはアトラクションごとに発行され、指定された時間帯に優先搭乗できる。効率的に楽しみたい来場者には必須アイテムのため、特に朝の開園直後は、来場者が殺到し長い行列ができる。「ファストパス発券所まで事前に足を運んで行列に並ぶのは面倒」という声もあった。

 東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは2019年7月、ファストパスの電子化に踏み切った。入園後は、スマートフォンアプリの「東京ディズニーリゾート・アプリ」でファストパスを取得する仕組みだ。「発券所まで行くことなく、いつでもどこにいても発券できる」とオリエンタルランドの千葉香奈氏は説明する。

施設内の雰囲気、マップで表現

 東京ディズニーリゾート・アプリの用途はファストパスのデジタル化にとどまらない。オリエンタルランドにとって来場者の満足度を高める重要な手段となりつつある。

 アプリの提供を始めたのは18年7月。アトラクションなど施設の情報や待ち時間などが見られるほか、ショーの抽選やレストラン予約、グッズやチケットの購入、関連するホテルチェックインも可能だ。アプリ開発の方針として掲げるのが「パーク体験ファースト」。同社にとって来場者がパーク内においてアプリに気を取られるのは望ましい姿でない。「パークを楽しんでもらうためアプリはどうあるべきかを時間をかけて議論した」(千葉氏)