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進化に3つの方向

 アシストスーツの進化は今後も続きそうだ。アシストスーツを別の角度から分類すると、現在主流になっているのが硬いフレームを利用するタイプである。今後、3つの方向性に分かれて発展する見通しだ。

3つの方向に進化する
●アシストスーツの今後の動向
(写真=右:米サイズミック提供)

 そのうち多くのアシストスーツメーカーが想定する主流のタイプはまるで衣服のようなデザインの製品だ。既に、米サイズミックの「パワード・クロージング」のような服に近い製品も登場している。

 サイズが小さい分パワーは低めで身体の負荷軽減にとどまるものの、日常的に着たままで使用できるようになる。通勤電車中で、つり革につかまったままでも疲れないアシストスーツが誕生するかもしれない。家電と服が融合した新しいジャンルの製品になりそうだ。

 2つ目は人間では出し得ないパワーを行使するタイプで、「パワードスーツ」などと呼ばれる。生身では到底持ち上げられない重量物の取り扱いができるため、災害復旧現場でのがれき撤去などにも活用できる。このタイプの場合、寸法は人間サイズに限らない。大型ロボットを操るタイプが出てくる可能性がある。

 3つ目は、人間の身体そのものを拡張するタイプだ。ケガや病気による神経障害などの治療のほか、人工の手足を身に着けることによって、まるで阿修羅像のような姿になる可能性がある。このタイプの場合、複数の足を自由自在に動かせるタコのように、新しい“身体”を操れるようになる。例えば、2本の手でピアノを弾きながら3本めの手で楽譜をめくるといったことも可能になる。

(東 将大=日経 xTECH/日経エレクトロニクス)

日経エレクトロニクス
電子・情報・通信などエレクトロニクス分野の開発・設計者向けの技術情報誌。プロの技術者の要求にこたえる情報を提供する。
日経ビジネス2019年7月29日号 82~84ページより目次