もう1つの有力な素材である鋼材は、10年程度で跡形もなく消滅してしまうことがあるという。原因ははっきりしていないものの、深海特有の微生物の存在や海水の化学組成などの影響が考えられている。研究を主導するJAMSTECの数理科学・先端技術研究分野の野村瞬技術研究員は、数千mの深海の環境について「未知のことが多い」と話す。

深海の環境は厳しい
●水深と水圧・水温の関係
<span class="fontSizeL">深海の環境は厳しい</span><br />●水深と水圧・水温の関係
出所=JAMSTEC

 海面下では、水深が100m深くなるごとに水圧が1メガ(メガは100万)パスカルずつ増える上、水温は急激に低下する。水深2000mを超えた場合には、一般的なコンクリートの圧縮強度を超える水圧が作用する。全方位から圧力がかかる状態になるのですぐに破壊されるわけではないが、長期的には強度が低下する恐れがある。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1453文字 / 全文2848文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「テクノトレンド」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。