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1月1日、千葉県銚子市の沖合で着床式の洋上風力発電所が商用運転を開始した。欧州で主流となっている方式で、発電量の増大や建設コストの削減に期待がかかる。法律が整備され普及に向けて動き出すが、日本周辺の海底地形が課題になりそうだ。

東電は大規模な風力発電群の建設を検討している
●銚子沖に設置した「着床式」の風力発電システム

 千葉県銚子市の沿岸から南に約3kmの海上で1月1日、巨大な“発電所”が本格稼働した。東京電力ホールディングスが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で実証してきた洋上風力発電システムが、約6年を経て商用運転に移行したのだ。

 海面から直立する支柱の高さは80mで、風を受けて回る風車の直径は92mに達する。定格出力は2400kW。発電量について東電は一般家庭2200軒分の電力を賄える量と試算している。港湾内など海岸沿いの洋上風力は珍しくないが、沖合の海底に「着床」して商用稼働する風力発電システムは国内初だ。

 銚子沖は将来、陸上をしのぐ大型発電所となる可能性を秘めている。東電は昨年、この海域でボーリング調査を開始。今年1月18日にはデンマークの洋上風力発電世界最大手のアーステッドと提携し、東電の小早川智明社長は「半年をめどに(銚子沖での協業に)見通しを立てたい」と記者会見で意気込んだ。東電は国内における洋上風力で、将来的に200万~300万kWの規模を目指している。実現すれば、原子力発電所2基分に相当する計算だ。