公定薬価制度が、新薬の導入の壁になったり、ジェネリック(後発医薬品)メーカーの経営を圧迫したりするケースが増えてきた。厚生労働省による迅速な制度改革が求められる。

 新薬メーカーの業界団体である日本製薬工業協会(製薬協)は2023年2月16日、政策提言を発表した。その骨子の一つに「特許期間中の革新的な新薬は、市場実勢価格に基づいて薬価を引き下げる『薬価改定』の対象から除外すべきだ」があった。

 日本は公定薬価制度を採用しており、健康保険が支払う医療用医薬品の価格は国が決定する。医療機関や薬局は少しでも安価に仕入れようとするため、公定価格と実際の購入価格との差である「薬価差益」が発生する。この薬価差益が医薬品の過剰な使用や医療費の増大を招いているとして、厚労省は定期的に市場実勢価格の調査を行い、薬価改定を行ってきた。改定は、従来2年に1度実施されてきたが、21年度からは毎年行われることになった。

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