岸田文雄首相が掲げた「異次元の少子化対策」への期待がしぼみつつある。政治日程を優先して具体策と財源の絵姿が示されず、早期対応へのシナリオが見えないことが要因だ。

 岸田文雄首相が1月23日の施政方針演説で「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と宣言し、与野党論戦の中心テーマに躍り出た少子化対策。4月の統一地方選や衆院補欠選挙を見据え、政府・与党と野党各党が児童手当拡充案などのアピールに躍起となっている。

 岸田政権は昨年末、防衛費の増額と財源を賄う増税策を決定。脱炭素投資を促す新たな国債発行の枠組みや、原子力発電所の運転期間延長などの主要政策にも道筋を付けた。首相や側近の間では、統一地方選や衆院解散戦略を見据えて「次は少子化対策に注力」は既定路線だ。

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