世界景気の後退局面入りは不可避と言われている。問題はその程度だ。多くの国が自国通貨安を回避しようと利上げに動いた結果、リセッション(景気後退)が加速するかもしれない。

 国際通貨基金(IMF)が、2022年の世界経済の実質成長率見通しを3.2%に下方修正すると発表した。前回4月の3.6%から0.4ポイントの引き下げとなる。4月も1月の見通しから0.8ポイント引き下げたことを考えると、年初からの引き下げ幅はすでに1ポイント超だ。

 IMFの予測値は対外的なインパクトが大きいため、公表される数字がさほど悲観的でないのはよく知られている。そのIMFが厳しい見通しを出したのだから、実際はもっと深刻な状況なのかもしれない。

 引き下げの要因は言わずもがな、米国で発生する1980年代以来、約40年ぶりの高インフレだ。そしてインフレを抑えようと、米連邦準備理事会(FRB)が急速な利上げに動いている点が経済の先行きを不安定なものにしている。

 急速な金融引き締めは、景気後退、いわゆるハードランディング(硬着陸)を招きやすい。FRBのパウエル議長は「労働市場が堅調なうちにインフレ率を2%まで引き下げる」と、ソフトランディング(軟着陸)に含みを持たせるも、それは至難の業だろう。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り973文字 / 全文1512文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ニュースを突く」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。