企業経営への人工知能(AI)導入が広まりつつある。勘・経験・度胸に頼る「KKD経営」から抜け出せば、経営は洗練される。ただ思考の外部依存は経営者を弱くするもろ刃の剣だ。

 「皆さんの会社はいまだにKKD(勘・経験・度胸)に頼って商品の仕入れをしていませんか。それでは不良在庫が出て当然です」。7月28日、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は法人向けオンライン講演会で、AIを活用して未来を予測する企業としない企業とでは、競争力に大きな差が出ると力説した。

 孫会長の主張はこうだ。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が普及し、企業活動や資産が膨大なデータを生み出している。半導体やソフトウエアの進化でAIの推論コストが下がり、企業はデータを瞬時に解析して問題解決策を導き出せる環境が整いつつある。

 「AI化によって様々なコストが半減し、イノベーション創出スピードが40倍に、新製品の開発スピードが10倍ほど速まるという調査結果もある」。孫会長は1時間弱、AI革命こそが日本企業の出遅れた国際競争力を挽回させる、と気炎を吐いた。

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