参院選の投票日が近づく。だが財政再建の議論はほぼない。6月の政府・骨太の方針では事実上の先送りだ。膨大な財政赤字は激しい円安の一因でもあるが、危機感はないのか。

 「これは良かった」。政府が6月初めに閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の内容が伝わると、株式市場関係者から安堵の声が漏れた。岸田文雄首相は目玉政策である新しい資本主義の柱に所得分配を掲げ、金融所得課税の強化を検討していた。それが蓋を開けると盛り込まれなかったからだ。

 しかし、この骨太を単純に評価していいものだろうか。そこには、財政再建をまた先送りする意図が明らかにうかがえる。

 2022年度末の公的債務残高(政府見通し)は、国・地方を合わせて約1240兆円。名目国内総生産(GDP)比で約220%に達し、先進国では突出して高い。このため、18年度の骨太で、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を25年度に黒字化する方針を決め、財政再建を図るとしてきた。

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