東芝が物言う株主に翻弄されている。要求されている株式の非公開化は、既存株主の利益は大きいが経営にはダメージだ。東芝再建問題には株主第一主義の弊害が表れている。

 経営再建を進める東芝は、混乱を収束させるために潜在的な投資家やスポンサーから戦略提案を募集している。5月末までに東芝が受けた10件の提案のうち、8件が株式の非公開化案だった。6月の定時株主総会で諮る新たな取締役候補13人の選任案では物言う株主(アクティビスト)から2人を受け入れることを公表しており、大株主の出身や推薦者が6人を占める。外堀も内堀も埋められた東芝は非公開化へと突き進む可能性が高まっている。

 東芝は債務超過による上場廃止を免れるため、2017年12月に第三者割当増資を通じて物言う株主らに出資を仰いだ。約6000億円の増資を約60の海外投資家が引き受けた。現在もエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどの物言う株主は合わせて約2割を保有しているとみられる。東芝の企業価値向上策や利益還元に物言う株主は満足せず、株主が保有株式を売却する出口戦略として、企業再生を得意とするプライベートエクイティ(PE)ファンドなどによる買収が取り沙汰されてきた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1010文字 / 全文1529文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ニュースを突く」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。