健康や医療に関連する製品は、各国政府や国際機関が調達して低・中所得国に供給することが多い。グローバルヘルスと呼ぶこの公共調達の市場で、日本の存在感は薄い。
米大手製薬のファイザーが発表した2021年の決算の数字は驚くべきものだった。売上収益は、前年同期比95.2%増の813億ドルとなった。増収分の多くは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「コミナティ」によるものだ。コミナティによる売上収益は、全体の約45%の368億ドルに達した。
COVID-19が特にワクチンを扱う製薬企業にとって大きなビジネスチャンスだったのは確かだろう。ファイザーとドイツのビオンテックのグループがメッセンジャー(m)RNAという新しい技術を実用化し、大きな果実を手にしたのは周知の通りだ。やはりmRNAワクチンの開発に成功した米モデルナも、21年に新型コロナ向けワクチンで177億ドルを稼いでいる。
残念ながら日本企業は新型コロナ向けワクチンの開発競争に後れを取ったが、仮にmRNAワクチンの開発に成功した企業があったとして、これだけの収益を得られただろうか。
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