ロシア、中国、北朝鮮と近接する日本は「極東のウクライナ」と言っても過言ではない地政学上のリスクを抱える。「今日のウクライナは明日の日本」。そう肝に銘じて備えを急ぐべきだ。
人口約4000万人の主権を持った国家、ウクライナが侵攻を受けた。暴挙に出たのは、国連の拒否権を持つ安全保障常任理事国、ロシアだ。厳しい制裁を受けると、プーチン大統領は核兵器の使用までほのめかした。
我々は第2次世界大戦以来、見なかったような光景を目の当たりにしている。軍事大国の独裁者が理性を失えば、地球規模の危機に発展しかねないことを改めて思い知った。軍事侵攻と経済制裁のチキンレースの行方は誰にも分からない。
地球儀を半周動かせば、欧州で起きている惨事が、対岸の火事でないことが分かる。ロシア、中国、北朝鮮と対峙する日本は地政学上、「極東のウクライナ」とも呼べる存在だ。
安倍政権時代、日露は27回の首脳会談を重ね、北方領土交渉に臨んだ。今思えば、当時の日本の見通しが、甘かったことが分かる。北方領土は今、ロシアによる軍事拠点化が進む。
北朝鮮は先ごろ、ウクライナ情勢の隙を突くかのように弾道ミサイルを発射した。今年に入って8回目だ。近年、実験を繰り返す兵器は、「極超音速」など、いずれも日本の防衛システムでは迎撃困難なものが目立つ。
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