無意味な暗号化ファイルとパスワードをメールで送る「PPAP」を政府が率先して撤廃している。だが、多くの企業は思考停止状態。経営陣の意識改革が求められている。

 染みついた商慣習を一晩にして変えるのは容易なことではない。だが、多くの問題をはらむ悪習であれば一刻も早く改めるべきだ。それでもなかなか変えられないところに、日本企業の病巣が見え隠れする。

 一度は経験したことがあるかもしれない。パスワードがかかった圧縮ファイルがメールに添付され、別途パスワードが記されたメールが送られてくる奇妙な「作法」。あたかもセキュリティーに配慮した施策のように見えるが、実は意味をなさないどころかマルウエア(悪意のあるプログラム)の脅威にさらされる。それどころか送信相手に余計な手間までかけさせるというおまけつきだ。

 IT業界では、パスワード付き暗号化ファイルの送信、パスワードの送信、暗号化、プロトコル(手順)の頭文字を取って「PPAP」と揶揄(やゆ)されている。

 2020年11月に当時の平井卓也デジタル改革担当大臣がPPAP廃止を打ち出してから、官公庁を中心に悪しき慣習の撤廃は広がりつつある。

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