新型コロナウイルスの変異型オミクロンを巡る政府の対応が過剰だ。感染力は強いが、重症化リスクは低い。国民生活を犠牲にせず、データに基づく現実的な対策を打てないものか。
「若者の未来を奪うな」「異常な対応だ」。2021年12月24~26日、ツイッターなどのSNSで非難の声が飛び交った。矛先が向けられたのは文部科学省。22年1月から始まる国公私立大の入試において、オミクロン型感染者の濃厚接触者は受験不可とした措置に世論が反発。同省はわずか3日で撤回に追い込まれた。
この問題に限らず日本政府のオミクロン型への対応は心もとない。右往左往と言ってもいいくらいだ。世界で初めてオミクロン型が確認された南アフリカの国立伝染病研究所の研究者の報告によると、入院が必要になる割合は2%台。他の新型コロナウイルスと比べて8割低く、重症化のリスクは昨年猛威を振るったデルタ型より7割低い。
一方、感染力は強そうだ。英エディンバラ大学の研究などから推計するとオミクロン型はデルタ型の3倍のスピードで拡散しているとみられている。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、7日移動平均で見た12月30日の世界の新規感染者数は約119万人と過去最多を更新。一方で新規の死者数は減少傾向にある。
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