昨年12月の記者会見で電気自動車(EV)への本気度を示したトヨタ自動車。しかし「ハイブリッド車(HV)にこだわる姿勢から方針転換した」といった報道には違和感を覚える。

(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)
(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)

 トヨタ自動車の記者会見は驚きの連続だった。同社は2030年に年間350万台のEV販売を目指す。従来目標は燃料電池車(FCV)とEVを合わせて200万台。いったん掲げた目標を7カ月で修正した。

 350万台と言えば、独ダイムラーやスズキの全販売台数に匹敵する。それを現在、EV販売で世界のトップ10にも入らないトヨタが、わずか8年余りで実現するという。

 これから販売するEVを16車種、ステージ上で披露したシーンも圧巻だった。自動車業界で、今後の商品計画をここまで一気に「見える化」した例は記憶がない。

 この発表を受けて、メディアは一斉に「トヨタがEVで大攻勢」「本気のEVシフト」などと報じた。だが、「HVに固執していたトヨタが変節した」といった論調には、腑(ふ)に落ちないところもある。

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