「分配」の財源を、金融所得課税に求めるのは、賢明な選択とはいえない。株価が上昇して得する人はいても、損する人は皆無だ。「貯蓄から投資へ」という流れにも逆行する。

 「1億円の壁」をどう打破するか──。格差解消の手段として、金融所得課税の引き上げを巡る議論がかまびすしい。

 給与所得への課税は最大55%で、収入が増えるほど税率が上がる。これとは対照的に、株式の配当や譲渡などで得られる金融所得への課税は一律20%で固定されている。

 一般的に富裕層は金融所得の割合が大きい。その結果、税の負担率は所得1億円程度でピークとなり、それ以上は税率が下がる傾向にある。1億円の壁と呼ばれる現象で、かねて「金持ち優遇」と批判されてきた。

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