この記事は日経ビジネス電子版に『「いりこだし」から考える、鉄の城下町・呉再生のヒント』(10月5日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』10月11日号に掲載するものです。
日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区の高炉が9月末に止まった。2023年には呉地区全体が閉鎖する。地域のシンボル、高炉の火が消えた鉄の町に再生への希望を見いだしたい。
終戦から6年後の1951年、戦艦大和を建造した旧日本海軍呉工廠(こうしょう)跡地に呉の製鉄所は建設された。それ以降、「鉄の町」として栄えてきたが、“城主撤退”の試練に直面している。運営する日鉄は国内の鉄鋼需要縮小や中国の鉄鋼メーカーに対する競争力を高めるため国内粗鋼生産量を減らす決断をした。呉の高炉が再び稼働することはない。
呉の製鉄所では高炉休止前、日鉄とその協力会社で約3000人が働いていた。高炉が止まることにより半数の1500人が影響を受ける見通しで、日鉄は社員についてはグループ内の他の製鉄所への配置転換で対応し、協力会社も他の製鉄所で仕事を受けられるように配慮するという。
とはいえ、引き続き地元の呉で働くことを希望する日鉄社員は多い。また、不案内な土地で新たに拠点を構えようとする事業者は少ない。
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