医薬品開発や医学研究に、患者・市民の意見や経験を反映させる取り組みが活発になっている。ただ製薬企業の情報開示不足などで患者団体側が不信感を募らせる事例も目につくという。
医薬品開発や医学研究に関して、最近よく耳にするのが、「ペイシェント・アンド・パブリック・インボルブメント」という言葉。医薬品開発や医学研究に、患者や市民の意見を取り入れていこうというもので、PPIと略される。
欧州や米国では、医薬品の規制当局と患者団体などが意見交換する仕組みが整えられてきた。欧州では2006年に、規制当局である欧州医薬品庁と患者団体などからなる「患者と消費者の作業部会(PCWP)」が発足した。米国でも12年に患者の声を医薬品開発や承認審査に取り入れるための法律「食品医薬品局(FDA)安全とイノベーション法」が成立。規制当局と企業、患者などが参加する会合が疾患別に開催されている。
日本でも、19年に国立研究開発法人の日本医療研究開発機構が「患者・市民参画ガイドブック」を発行したり、医薬品の審査業務などを担当する厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構が患者参画ワーキンググループを設けてその在り方を検討したりしている。医薬品開発に患者や市民の声を反映させようという機運が日本でも高まっているのは歓迎すべきことだ。
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