いつも決算会見で歯切れのいい発言をするソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、中国投資は「様子見」と慎重姿勢を見せた。共産党政権によるテック企業規制の深刻さが表れている。
「逃げるは恥だが役に立つ」。いわゆる「逃げ恥」は、2016年に民放で放映されたドラマでおなじみの言葉となった。もともとはハンガリーのことわざに由来しており、「無理に立ち向かうよりも、逃げたほうがいいこともある。戦うべき場所は選ぼう」という意味で使われる。SBGの決算会見の様子を見て、そのタイトルを思い出した。
21年3月期に、日本企業として過去最大となる約5兆円の純利益をたたき出したSBG。ところが、その後の株価はさえず、この3カ月余りで約4割下落した。最大の要因は中国政府によるテック企業への圧力だ。
独占禁止法違反で罰金を科された電子商取引大手のアリババ集団や、国家安全上の理由でアプリのダウンロードが停止となった配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)など、SBGが投資する企業が摘発の対象となっている。株価も大幅に下落しており、SBGの収益に与える影響が懸念されている。
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