廃炉作業が続く東京電力福島第1原子力発電所では、放射性物質を含む処理水がたまり続けている。政府はついに海洋放出を決めたが、風評被害を恐れる漁業者らの納得を得られるのか。

 政府は4月13日、福島第1原発の敷地内にたまる処理水を海洋放出で処分することを決めた。2年後をめどに実施する。だが、この問題を巡っては、決定の6日前に全国漁業協同組合の岸宏会長が菅義偉首相と面談し、改めて反対を表明したばかりだった。

 2011年3月の東日本大震災から10年。震災による津波で深刻な炉心溶融事故を起こした福島第1原発では廃炉に向けた作業が延々と続く。その一つが処理水の扱いだ。東京電力ホールディングスは、事故後に原子炉建屋内などにたまった水や、流入する地下水、雨水などの放射性物質を敷地内に設置した設備で除去している。ただ、それでも取り除き切れないトリチウムと呼ばれる放射性物質を含む処理水を、敷地内に建設したタンクにため続けてきた。

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