業績が拡大し、株式の時価総額でも過去最大を更新したソニー。ITバブル崩壊から20年余り。苦しみ抜いた日本の電機産業の中で、なぜソニーだけが復活したのか。

 ソニーの快進撃が続いている。2021年3月期は、純利益が過去最高の1兆円を突破する見通し。時価総額も15兆円を超え(2月15日時点)、21年ぶりに過去最大を更新した。日本の電機大手の中で、現在の時価総額がバブル期やITバブル期につけたピークを上回るのは、ソニーと三菱電機だけだ。

 このうち、三菱電機は競争の激しいパソコンや携帯電話などからいち早く撤退し、ファクトリーオートメーションや部品など産業の黒子役に徹する「身の丈」経営が奏功した。

 ソニーは、半導体や家電では韓国サムスン電子、エンタメでは米アップルや米ネットフリックス、ゲームでは米マイクロソフトなどと激しく争っている。日本勢としては唯一、今でも世界的ブランドとしての輝きを失っていない存在だ。

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