「1.05」。1人の新型コロナウイルス感染者がうつす人数を示す「実効再生産数」ではない。国内造船業の工事量の水準を示す数値で、2を下回ると危険水域に突入したことを示す。

 国内造船業の現在の手持ち工事量(受注残)を2019年の竣工実績で割った値は1.05年。つまり1年分程度の工事量しかないことを表す。2年を下回ればかなり少ないといえるので、このままでは国内造船業の存続すら危ぶまれる状況に陥りかねない。

 10年代に入って国内造船業は巨大化する韓国、中国の造船業に市場シェアを奪われ、体力も弱ってきた。コロナ禍が追い打ちをかけ、グローバル経済活動の停滞や人や物の移動制限により、新造船需要がさらにしぼんだ。韓中勢との価格競争も激しく、生産規模が小さい国内造船業は採算が悪化している。国は新造船を促すため、発注者となる海運会社の資金調達支援に乗り出す。政府系金融機関などと組んで初期負担を抑えられる方法を検討する。

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