IT基本法施行から20年。コロナ禍で日本は世界にデジタル後進ぶりを露呈させてしまった。菅政権が急ぐ行政サービスのデジタル化だが、日本はまた同じ失敗を繰り返そうとしている。

 世界最先端のIT国家を目指して制定された高度情報通信ネットワーク社会形成基本法、いわゆるIT基本法が施行されてから2021年1月でちょうど20年がたつ。コロナ禍でデジタル基盤のぜい弱性を世界にさらした日本は、菅義偉内閣の強い決意の下、デジタル化推進を加速させている。

 そのスピードたるや、すさまじい。菅首相は自治体ごとに異なる行政システムの統一を25年度末までに目指すと表明。その司令塔を担い、国の情報システムを統括するデジタル庁を21年9月に発足すると決めた。

 呼応するように自民党デジタル社会推進本部は20年11月から12月にかけてデジタル庁の権限や提供予定の行政サービスの具体像などを次々ととりまとめ、中間提言として菅首相に提出した。

 業界からは「目指そうとしている世界観の実現には2030年までかかってもおかしくない」(IT企業幹部)という声も漏れる。だが、新型コロナウイルスの感染拡大に収まる気配が見えない中、菅政権にとってスピードを犠牲にできないという判断なのだろう。

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