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米大統領選でバイデン氏が勝利した。環境や人権などに関する国際的な議論や規制強化が加速する可能性が高く、産業界も影響を受ける。日本には議論を主導する発信力がより求められる。

 米大統領選で、民主党のジョー・バイデン前副大統領の当選が確実となった。バイデン氏は環境問題や人権課題に対して関心が高いことで知られ、政権発足後、ESG(環境・社会・企業統治)関連のルール整備や産業振興策を相次いで打ち出すとみられる。ESG関連の専門家からは、「トランプ政権下で止まっていた時計の針がようやく動き出す」との声も聞かれる。

 大統領選翌日の11月4日、米国は「パリ協定」から正式に脱退した。パリ協定は、地球温暖化対策の国際的な枠組みで、2015年に国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)で合意された。オバマ政権は、25年までに国内の二酸化炭素(CO2)排出量を05年比で26~28%引き下げると表明したが、産業への影響を嫌ったトランプ大統領は19年11月4日に脱退を正式通告。規定に基づき1年後に確定した。

 バイデン氏は、就任当日にパリ協定に復帰し、各国に削減目標の引き上げを働きかけると公約している。21年11月のCOPに向けて、世界的な気候変動対策の議論が活発化するだろう。