強硬路線をとる中国に菅義偉新政権はどう対峙すべきか。人気のテレビドラマ風に言えば、「やられたらやり返す」姿勢はもう少しあっていい。ただ、過激な言葉の応酬や「倍返し」は不要だ。

 「日本は、必ず中国が味方に引き入れておくべき相手」「日本が、ワシントンの対中政策と距離を置くように持っていくことは、価値のあることだ」

 中国共産党系のメディア「環球時報」は、安倍晋三前首相が辞任を表明した翌日の8月29日、社説で日米を離間させる必要性をあからさまに説いた。

 歴史を振り返れば、中国は米国との関係が悪化するたびに、日本への接近を繰り返してきた。今回も日本に揺さぶりをかけようとする意図が透けて見える。とりわけ菅義偉新首相は“親中派”として知られる二階俊博幹事長の援護を受けて党総裁に就いた。中国には、この機に乗じて、新政権を中国寄りへと動かそうとする思惑がある。

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